翼羅学園
□1話
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1話。
私立・翼羅学園。
幼等部・初等部・中等部・高等部・大学・大学院とでなるこの巨大な学園は、とある人物が私財のみで完成させた巨大なひとつの都市である。
寄宿舎・研究所・映画館・病院・銀行など、ありとあらゆる施設が整ったこの学園都市には、学生、職員、関係者、その他家族など合わせて、なんと一万人以上が登校、生活してる。
…とどこかで聞いたことのある設定の、翼羅学園。
そんな翼羅学園・高等部に通う、彼女らの日常のお話。
「おはよう!」
「「「おはよう(ございます)」」」
元気な挨拶をして教室に入った鈴架を迎えたのは小狼、一葉、慶次。
「朝から勉強?」
小狼の机を囲む三人に首を傾げて聞けば一葉が最初に口を開いた。
「数学の宿題で分からない所があったから小狼に聞いてるの」
「俺はすっかり忘れて小狼の写させてもらってる☆」
てへ☆と付けた慶次に「可愛くない」と一葉は呆れた。
「小狼、数学得意だもんね!」
「鈴架さん…!?///」
いきなり抱きつかれ赤面する小狼の姿が可愛かったらしく鈴架は更にぎゅうぎゅうに力を込めた。
「Good morning」
「おはよう、政宗君!」
「「「おはよう(ございます)」」」
そこへ政宗も現れ小狼の隣である政宗は自分の席に座り欠伸を溢した。
「集まって何やってんだ?」
「私は数学の宿題教えてもらって、慶次は写させてもらってる」
簡潔に述べる一葉を見、慶次を見れば自然と呆れた溜め息が出た。
「またかよ…その様子だと英語の宿題もやってねぇだろ」
「えっ!?英語も出てた!?」
「出てたわよ」
あっさりと言いのける鈴架。
「ウッソッ!?英語って一時間目じゃん!?
政宗、ノート見せて!!」
「お前なー」
「頼む!ジュースおごるから!」
「ったく…」
手を合わせお願いされてしまえば、断れない政宗は英語のノートを渡した。
「ありがとう!
あ、小狼、数字のノート借りてていいか?」
「はい。四時間目だからそれまでには返してくれれば」
「もちろん!!ありがとう!」
慌てて自分の席に戻り英語の宿題写しに入る慶次に苦笑するしかない四人。
*