翼羅学園

□2話
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「今日の部活はここまでだ!」

「お疲れ様でした!!!!」


幸村とのグランド争奪戦に勝った政宗が率いる野球部は部活に精を出し切り清々しい顔だ。



「!」

部室に戻り着替えを終えた政宗、彼のカバンから覗く携帯が点滅していた。

それはメール着信を知らせ、確認しようと携帯を開き相手が分かると自然と笑みが溢れた。

「筆頭、何か嬉しいことありやした?」

「へっ!?べべ別に…先帰るから、戸締り頼んだぜ!」

平然を装い部室を出る政宗。
残されたメンバーは


「絶対に一葉さんからのメールだな」

「筆頭って結構分かりやすいよな」


うんうんと皆が頷く。





自分の好きな人が部活メンバー全員が知ってるとは思っていない政宗は一葉からのメールに上機嫌で今にもスキップしそうだが、しないでいるのは男子高校生がるんるんでスキップしてるなど気持ち悪い以外の何物でもないと理解してるからである。


そんな彼が向かった先は


「Hey,一葉」

「あ、いらっしゃい政宗」

正にメールをくれた相手=片思いの相手である一葉がバイトしてる古本屋。


「部活、お疲れさま」

「そっちこそバイトお疲れさん」

「私はここで座って店番してるだけよ」

くすりと笑う鈴架に政宗の心臓は飛び出そうである。
他の人間と話してるように平然と喋っているが内心はお祭り状態でドキドキしている。

そんな事を昔の政宗を知ってる連中が知れば笑われるのは確実だ。




「はい、頼まれてた本」

「Thank You」

政宗が一葉のバイト先に来たのは頼んでいた本を受け取る為である。

「でもビックリしたわ。
(明日、学校で渡すね)ってメールしたのに(今から行く)だなんて」

「あー…小十郎が楽しみにしてたから、早く読ましてやりてぇなって」

「へぇーそんなに楽しみにしてたんだ」

「まぁな…」


本当は一葉と二人っきりで会えるチャンスを逃してなるものかという下心があるとは口が裂けても言えない。


「この本、凄く面白いから小十郎さんも満足すると思うわ」


そんな下心があるとは知らず笑顔を向けられる。

「っ…///」

「どうしたの?」

その笑顔は今の政宗にとって殺傷能力抜群でつい顔を赤くしてしまい一葉は首を傾げてしまう。


「…一葉、あのさ、」

「こんばんは、一葉ちゃーん!」




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