翼羅学園

□6話
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「鈴架ちゃん、今日カラオケ行かね?」

「行く!」

「あんた達、昨日も一昨日も行かなかった?」

「「うん」」

一葉の質問に笑顔で答えた二人。


「三日連続でよく行けるな」

それを聞いていた政宗は呆れ口調で言う。

「だって楽しいよ」

「「ねー♪」」

顔を合わせ言う二人に一葉と政宗は自然とため息が漏れた。


「一葉ちゃんと政宗君も行く?」

ピクッ

『一葉とカラオケ…』


「ごめん、バイトなの」

ガクッ

『『あ』』

期待をした政宗だが一葉の返答は政宗をがっかりさせてしまった。


「また今度ね」

「うん…」



「政宗…」

「残念だけど、せっかくだから行こう!」

「…」

無言のまま力無くコクりと頷いた。


「あ、月葉も行かね?」

「面倒くさい」

ふと慶次は相変わらず寝ていた月葉に声をかけたが予想通りの返答。


「そう言わずに行こうぜ」

「んー面倒くさい」

それに怯むことなく誘い続ける慶次の目にもう一人の人物が入る。


「幸村も誘ってみようか!?」

ガバッ!

机に伏せていた顔が上がる月葉に慶次は内心ニヤリとする。


「そういえば幸村君とカラオケ行ったことないね」

「幸村って歌上手いの?」

一葉はふと思った疑問を口にすれば、一瞬 沈黙になる。



「…演歌しか浮かばない」



鈴架の言葉に一葉、政宗、慶次はうんうんと頷いた。


着物と拳がよく似合う彼の姿が容易く想像できた。



「でも最近の曲とか結構知ってたりするよ。
ウォークマンに入ってるの最近の曲多いし」

「幸村ってウォークマン持ってんの!?」

「それくらい持ってるよ」

意外だという表情を見せる慶次。

「つぅか食べ物以外の話もしてんだな」

「失礼な。食べ物しか考えてないみたいじゃない」

「そうだろ」

「むっ」

「まぁまぁ」

何やら月葉と政宗の間がピリピリし出し止めに入る鈴架に免じて話題を戻した。





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