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□きつねの幻
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「さいなら、乱菊…ごめんな」
アンタのそういうとこが嫌い
思ってないくせに
かぐや姫のように、残酷な言葉を吐いて
尸魂界を去っていった
私の心を縛り付けたままで…
きつねの幻
「ふぅ…」
静かな副官室に、私の声が虚しく響く。
旅禍騒ぎや、藍染の反乱から三日たった今日。
瀞霊廷は静寂を取り戻して、騒がしかった日々が嘘のように思えてきた。
重傷を負って四番隊で治療を受けていた隊長も目を覚まして、明日には復活できるって勇音から聞いた。
「これでやっと、十番隊にも活気が戻るわね。」
他人事のように呟いてみたけど、私の声は響くばかりで誰も返してくれる人はいない。
あの時と同じ…
孤独だけが、私を支配する
アンタの言葉と共に
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