正十字学園

□Dragon Birthday
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8月某日
正十字学園下駄箱


「なんやコレ・・・」


思わず下駄箱の扉を閉める
名前を確認するが


「・・・俺の下駄箱・・・やんなぁ」


「坊?」


うーん、と唸るのは勝呂竜士
その不自然な行動に声をかけたのは志摩である


「どないしたんです?」


「いや・・・俺の下駄箱の中に俺のやない荷物があるんや」


「荷物?」


ほら、と開けた扉の奥には、綺麗にラッピングされた包みが大量に入っていた


「なんでこないに入っとんやろか
間違えた人は何をするつもりなんやろ

なぁ、志摩?・・・志摩?」


「えっ、あ・・・あぁ、ほんまですねぇ(汗」


目を変にキョロキョロさせ、口元がひくひくと動いている志摩



「なんや志摩
なんか気になる事でもあるんか」


いつもの志摩らしからぬ動揺に眉が寄る


「いっ、いえ、なんもないです
あっ、これ落とし物って事で先生に届けてきますわ」


そう慌てた様子で下駄箱の中の包みをいつの間に持っていたのか、紙袋の中にざらざらと落としていく


「じゃっ、じゃあ坊は先に教室行っとってください」


「おい、志摩!?
・・・なんやったんや・・・?」


引き止めるも、志摩は聞かずにだぁーっと走って行った


「変なやっちゃなぁ・・・あ、いつもか」


坊は頭をかきながら教室へと向かった





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