短篇
□おまえのせい、ろく
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「―…ん、(……朝か…)」
夢をみた気がした
「そろそろ起きなさーい」
母親の声で、意識から消えた
「でさ、佐藤にいってやったんだよ
【彼女も出来た事がないお前に何が分かるんだ!】って…あ、はよー」
「…はよ」
入学から1ヶ月が過ぎた
入学式の日のお姫様抱っこ事件のことを引っ張ってくる奴はほとんどいなくなった
要は記憶を新しいのに書き換えてしまえば良い
クラスでもちゃんと挨拶を心がけて、なよなよしく見えないように振る舞った
「あ、空、はよーっす」
ぴくり
耳が反応する
「おーっす!・・・あれ、もう寝てんの」
唯一、アイツにだけはまだ慣れないが
「あ、本当だ
いつの間にか寝てる」
「ついさっき来たばかりなのに寝るの早過ぎだろ(笑」
「ふーん…?」
アイツの名前が聴こえた途端に机に突っ伏した俺は、少しの視線を感じつつ眠りに入った
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