湾叶学園
□ぷろろーぐ
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軽く時間を無駄にしたが、学校から一歩外に踏み出す
周りには他の生徒も沢山居て、週末の予定を喋りながら、ケータイを弄りながら、中には漫画を見せあいながらの人も居る
・・・この学校って漫画持ってきて良かったっけか?なんて思いながら横を通り抜けていく
明日が土曜日ということもあり、何となく活気に満ちている気がする
さっきまで俺を見ていた奴らもまたグループで騒ぎ出した
・・・五月蝿い
集団から逃げるかの様に早足になる
五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!
―――
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
気がつくと、周りには誰もいなかった
気付かないうちに走っていたようだ
久しぶりに走って息が荒い
駅から随分と遠ざかっていた
「はぁ・・・戻るか」
駅に向かって来た道を戻る
「あの、すみません・・・」
控えめな声がかかる
高そうな車に乗り(運転席が左って事は外車かよ・・・)、サングラスをかけた黒服のできるOL!みたいな人だった
てか全身黒尽くめだなオイ
「・・・?」
周りを見ても誰もいない
仕方なくその人に応じる
「なんでしょう?」
「近くにコンビニはありませんか?」
コンビニ・・・思考を巡らすが、ここは場所が悪いらしく、確かここから10分位はかかる所にしかなかったはずだ
てかその格好でコンビニ・・・いや、スーパーとかの方が合ってないな
「ここから10分はかかると思いますよ?」
「でも地図にはこの辺りって・・・ちょっと見てくれません?」
そんな事を言われたので車に近づく
うん、俺ってイィ奴
口と鼻を後ろから布で覆われた
・・・え?
「ごめんなさい」
そんなことを女の人が言ったかもしれないが、薬品の匂いを嗅ぎながら意識が遠退く中俺は
《ほんとに襲われちゃったなぁ・・・》
なんて暢気な事を考えていた
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