正十字学園
□小さな貸し借り
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Side:勝呂 竜士
「それでね・・・」
「だったらこれは?」
朝いつも通り志摩と子猫丸とで教室に行くと、既に奥村と杜山さんが席について教科書広げてなんやしとった
あいつらがこない早ぅに居るなんて珍しい
いつもは結構ギリギリに来るんに
と、向こうがこちらに気づいた
「おっ、こねこまるに志摩、はよー
お前ら毎回こんな早いのか?」
「おっ、おはよう!」
「はようさん、坊の予習に付きおうてますねん
それにしても今日早いなぁ?」
「おぅ、ちょっと勉学に励もうと思ってな
てか予習まで真似すんじゃねぇよ坊」
「いやいや、予習は俺らずっとやっとんや
それを言うんやったらお前んがパクリやろが
てかお前何で俺には挨拶無しやねん」
「あ、分からんトコあったら言うてな
坊が教えてくれはるさかい」
「おー、頼りにしてるぜ坊」
「坊て呼ぶな言うとるやろが!」
「堪忍なぁ、こんなガンくれてますけど坊は照れ屋で寂しがりなだけなんどす」
「そうだったのか・・・ごめんな坊、おはよう」
「お前ら人の話聞けやぁ!!」
いつもよりずっとずっと賑やかな朝
でも、それを嬉しいと感じる自分が居て
「(何やねんくそっ!!)」
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