湾叶学園
□金持ち自慢という名の学校紹介
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2人して紅茶を飲みながら雑談していたが、さすがに気になってきた
「ところで神原さ
「裕美です」
・・・はい?」
「裕美、と呼んでくださいますか?」
暫くぽかんとしていた俺だが、
「・・・勿論!じゃぁ裕美さん!」
「何でしょう?」
笑顔で返される
良いなぁこういうの
ほんわかするよ
「理事長はまだ来ないんですか?」
「そういえば遅いですねぇ」
紅茶を飲みながらホントに今思い出した様にのんびり答える
もしここで紅茶じゃなくてお茶を飲んでいたらズズッという効果音が聞こえそうだ
それにしても裕美さん、テキトーだね
そんな所も好印象だけど(笑
「見てきますので少々お待ち下さい」
そう言って椅子から立ち上がって部屋の奥にある右側の扉に入っていった
「理事長ってどんな人なんだろ・・・」
気になる
しかも裕美さんが俺のオヤジの関係ありそうな感じの物言いだったから更に気になる
親父の知り合いにでっぷりおじさんって居たかなぁと思い出そうとするが、何せ仕事の話どころか本人がなかなか家に帰って来ないのだから俺が知っているはずが無い
「ま、どうせ理事長なんてそんな関わらないし、いっか」
考えるだけムダムダ〜と開き直るが、俺は甘かった
後で、ここで逃げてればと思うのだが、どうせそんな事しても捕まっただろうし、今は知る由も無かった
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