正十字学園
□特別な日
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カリカリ・・・
「あ゛あーーくそっ!!全っ然終わらねぇ!!」
奥村燐は吠えた
「うるさいよ兄さん。もう少し静かにできないの」
それを雪男が窘める
いつもの授業風景
だが、いつもとは決定的に違う事があった
「だってよぉ・・・大体何で冬休みなのに授業があんだよ」
「何回も言わせないでよ。兄さんがテストで赤点とったからだろう?」
「ぐっ・・・」
「しかもちゃっかり悪魔薬学以外は合格してるし・・・ギリギリだったけど・・・
そのせいで僕だけ補習授業考えなきゃだし」
「そ、それはすまねぇと思ってるよ・・・
でも俺だって頑張ってんだよ!!」
そう、燐は前々から雪男に隠れてこつこつ勉強をしてきたのだ
・・・主に悪魔薬学を
「はいはい、僕の授業以外をね
ほら、手止まってるよ
さっさと終わらせちゃってよ」
「くそー・・・(何で1番頑張った雪男の授業が赤点なんだよっ!!)」
不満ながらも燐は渋々プリントに向き直った
「(ま、2人きりだし。たまにはこれも良いかな)」
雪男がこんな事を思っているのは内緒である
「(それにしても何で教室使っちゃいけなかったんだ・・・?)」
そう、ここはいつも使っている教室ではなく、2人が使っている寮の部屋であった
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