短篇

□お前のせい、に
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――1年前、春


「ハァ・・・めんどい・・・」


朝、目覚めてからの第一声
今日から高校生
面倒でしかない

もともと高校に行く気なんて無かったが、今の世の中高校くらい出てなくてどうするの!と母親にどやされて受けた入試
絶対受からないだろうと思っていたが、どうやら定員割れしていたようで受かってしまった


「(受からなかったら高校なんか行かなくて済んだのに・・・)」


それはそれで通信教育でもさせられそうだが、毎日通学しないで良いというのは魅力的だ

いっその事、寝過ごしたと称して休んでしまいたいが、今日に限って目覚めが良く、これ以上寝れそうにない
それもこれも未だ鳴り響いている、枕元にある真新しい目覚まし時計のおかげだ
なんでも、朝に弱い人も起きれるようにと作られた新商品だそうで、某有名テーマパークのネズミキャラクターがプリントされている時計は、だんだんと音を大きくしながら鳴っている
まったく憎たらしい


正直止めるという動きも面倒だが、これ以上鳴らし続けると母親が角を生やしてやってくるので思い切り叩いて止める

「(・・・地味に痛い)」


無駄な体力を消耗した気がして、余計に疲れた





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