短篇

□桜が教えてくれた
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車から降りて荷物を降ろす


「車庫に入れてくるから、家、入っときんさい」

「分かった」


駅がある一番近い市から一時間
車を運転してくれたおふくろに礼を言って、車の扉を閉める

車が動き出したのを確認してから、大きく息を吸い込む。
草木のにおいと、虫のうるさく喚く鳴き声と、遮るものがないため直に照りつける太陽と。
久しぶりに帰ってきたのだと実感する


「(といってもまだ4カ月くらいか)」


高校に入学してから、数カ月。
なんだかもっと離れていたような気がする。


夏休みに突入し、7月いっぱいで寮は一旦閉まる
ほとんどが帰省するが、俺の通う高校は進学校である為、予備校のある学生も多く、希望する生徒は残っても良いことになっていた。
俺は迷う間もなく帰ることを選んだけれど


「…………」

少し物思いに耽りながら、家の門をくぐった
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