戦国

□子作りへの道!
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「いぬやしゃぁ〜」


――――ん・・・・なん、だ・・・・?


ぼやけた頭を覚醒しつつ甘く呼ぶ声の主を確認する。


「ねえってばー」


―――――かごめか・・・んな甘ったるい声、朝っぱらから出すなよ・・・抑え利かねえだろーが・・・・


そんな甘い悩みも一秒。
かごめをはっきりと見たら、全部頭から追い出された。


「か、かかかかかかごめーっ!?」


犬夜叉の悲鳴とも取れる声に仲間達は一斉に駆けつけた。


「どうした、犬夜叉!」

「奈落かい!?だったら今助けるから退いてな!」

「犬夜叉ぁーッ!」


切迫した緊張感もその光景を見ればすぐに失せた。まさに雲散霧消のごとく。


「かごめちゃん?いや、違うよね、そんなかごめちゃんちっちゃくないし。犬夜叉、おめでとう!」

「お二人の子供ですか・・・。何と可愛らしい。思わず襲ってしまいたくなるような・・・」


そう言った弥勒は瞬時にのされたが。犬夜叉は顔を真っ赤にして否定する。


「ち、違えよ!かごめとのガキなんかじゃねえ!」

「なあに?いぬやしゃはあたしのこと、きらいなの?」

「きっ嫌いって・・・え?やっぱりお前、かごめなのか?」

「あたりまえでしょ。いぬやしゃは忘れちゃったんだ・・・う・・・」


小さくなってますます大きくなった瞳いっぱいに涙を潤ませるかごめにかなり焦る犬夜叉。


「そばに・・・いるってきめたのに・・・」

「わっ、泣くな!おれが悪かった!!」

「ほんと?」

「ああ、本当だ。忘れてなんかねえ。お前はかごめだ。」

「いぬやしゃー!!!」


彼に抱きつくかごめの漆黒の髪を撫でながら穏やかな表情を見せる犬夜叉に仲間達は微笑んでいた。
それはまるで親子のようだった。


「なぜかごめさまは幼児化してしまったのでしょう?」

「昨日戦った妖怪のせいだね。あいつは厄介な毒を吐くと有名だ。かごめちゃん、他におかしなとこない?」

「うん、ないよ。」

「そう、よかった。これなら明日には元に戻ってるよ。」

「そうか・・・・」


犬夜叉はほっと安堵した息を吐く。
好いた女が幼児になどなってしまったら男としてはかなり悲しいものだ。それも一生そんな姿だったとしたら・・・。

けれど犬夜叉は一日ぐらいは世話をするつもりだった。


―――――どんな姿でもかごめはかごめだ。


「犬夜叉、任せたよ。」

「わかってらぁ。ガキの世話ぐらい出来る。」

「小さくて抵抗しないからと言って襲っちゃだめですよ?」

「おっお前じゃねえし、んなことするか!!」


弥勒と珊瑚はそう言って妖怪退治に向かってしまった。二人の言伝てなのか七宝も村の子供達と遊んでいる。



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