戦国

□天使の誘惑
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一方、場所を移した此方では口頭尋問が始まっている。


「何でおれ以外の男に口づけなんてするんだよ!?」

「だあってぇ・・・犬夜叉降りてこないからつまんなかったんだもん。だからお酒飲んじゃって、頭ふわふわぁってして、キスしちゃったの。」


「だからって!!」

「全部犬夜叉が悪いの!!」

「はあ!?」

さっきから暖簾に腕押し、糠に釘。何を言ってもかごめは要領を得ない言葉を返してくる。


「おれが悪いってお前、おれがどんだけ我慢してるか知ってんのか?」

「え?」

「おれがどんなにお前に欲情して・・・」


触れたいと思っているのか。

かごめといると安心できるのは勿論だが、最近になって誰よりも身体も魂もかごめの近くにいたい、という気持ちが犬夜叉の中で強くなっていた。

平常のかごめなら頬を染めてつられて犬夜叉も赤くなり、それで夜が更けてから行為に及ぶ・・・といったところだが、かごめが酔っているせいでそうもいかない。


「じゃあ・・・」

かごめは柔らかい笑みではなくニヤリとまるで弥勒のように妖しく笑う。

「もっと欲情させてあげる。」

「!?」


突然しなだれかかってきたかごめに受け止めることも出来ず犬夜叉はかごめを支えたまま地面に腰を打ち付ける。


「ってぇ・・・・・!!??」

かごめの細い指が犬夜叉の両肩を捉え、地面に押し付けた。

「なっ何を・・・・っ///」

かごめは慌てる彼の表情を面白そうに見つめながら、彼の身体の上を馬乗りになって跨いでいた。半身を起こした犬夜叉の目に写ったのはかごめの己の両脇に開いた白い太股。跨いでいる為かスカートの丈が一段と短くなっていた。


「かかかかごめ!!!おりろ!!!」

「嫌よ。」

頑として聞かないかごめを見ると視界にちらちらと太股が映り犬夜叉の心臓は爆発寸前だった。思わずかごめから目を逸らした。


「あれ。犬夜叉こーゆーの嫌い?」

「嫌いも何も変なこと言うんじゃねぇ!!!」

「むっつり助平な犬夜叉なら気に入ると思ったんだけどなぁ〜」

「むっつりって何だよっ!!おれはそういう事に興味ねぇ!!!」


「ふぅん・・・じゃ、やめる?」


「え゙・・・?」

「だって犬夜叉が嫌なのにやる意味ないもん。」

かごめは顔を背けて犬夜叉から下りようとする。かごめが何をするつもりなのかは分からないが、何やら自分にとって嬉しいことは間違いない、と直感で犬夜叉は感じ取った。


「う、嘘だ!!!」

「何が?」

犬夜叉は妖艶な笑みを崩さないかごめに未だ嘗て無い受身の自分を感じた。

「だから・・・興味ねえって言ったことがだよ・・・///」

「犬夜叉は私に興味ある?」

「お、おう・・・・///」

「じゃあ許してあげる。」

(なんかおれ、かごめに振り回されてねぇか?ていうか今日のかごめ・・・綺麗だ・・・・・////)

いつもはかごめを強引に押し倒し、言葉攻めでかごめに求めさせてはそれに快感を得ていた犬夜叉だった。しかしこんなかごめも悪くはないと思う。現代ではそれをマゾヒズムと呼ぶのだが。


「で・・・何してくれるんだ?」

「ナニって決まってるでしょ?犬夜叉を欲情させてあげるって言ったじゃない。」

「だからどうやってやるんだよ?」

「こうやってよ。」

「ッ!?」




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