戦国
□子作りへの道!
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「いぬやしゃ!」
「ん?」
「すきー!かごめはいぬやしゃが好きだよ!いぬやしゃは?」
「えっ・・・う・・・」
素直に好きとは言えないのが犬夜叉である。しかし今のかごめには全く通用しない。
照れている間にすぐに涙を浮かべるのだ。
「すきじゃないの?」
「ばっ・・・好きだ!かごめのこと好きだよ!」
「ききょうより?」
「お前、桔梗のことも知ってんのか?」
「うん。ねー、ききょうより?」
「・・・桔梗より好き、じゃなくてかごめのことは愛してるんだよ・・・」
普段面と向かって言ったら必ず言えないような台詞まで言ってしまう犬夜叉にかごめは喜ぶと思えば、何だか様子がおかしい。
「ねぇ、いぬやしゃ。"あいしてる"ってなに?」
「あ、う・・・そっそれは・・・」
「はやくこたえて!」
「それは・・・"好き"より、何というか、もっと相手を想うってことじゃねえか?相手を大切にしたり・・・ちゃんと考えたりだな・・・」
「じゃあいぬやしゃはあたしのことたくさんかんがえてくれてるんだ!」
「ったりめーだろ。」
「あたしうれしい!」
「かごめ・・・・」
幼くても変わらないかごめの笑顔と優しさ。
しっかりと自分を見つめてくれる漆黒の瞳は変わることのないかごめの瞳だ。
「床寒いだろ。こっち来いよ、かごめ。」
「うん!」
犬夜叉はちょこんと膝に乗ったかごめをぎゅっと抱きしめる。
―――――この一つの命が愛しい。
小さくなろうが、魂は魂だ。
かごめの瞳も言葉も心も全て自分を癒してくれる。
「いぬやしゃ?」
「嫌か?」
「ううん。いぬやしゃはあったかいね!」
「バカ野郎・・・」
―――――かごめのほうがずっとあったけえよ・・・
そんな言葉も言えないほど温かくて、ただかごめの身体の温もりを感じていたかった。