short 2
□俺だけの
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「ね、ね、土方〜。エッチしよ。」
万事屋の応接室で早めの夕食を食べていると、銀時が前触れもなく恋人の土方にねだった。
土方は驚いてマヨネーズを大量にかけた焼き魚を喉に詰まらせかける。
もちろん銀時の手作り料理だ。
「え?お前マジで言ってるのか?」
「マジマジ、冗談なんて言わねーっつうの。」
「冗談にしてくれよ。さっき散々やったじゃねぇか!」
土方は顔を青くして叫ぶ。
それもそのはずで、今日非番だった土方は11時頃に万事屋へとやってきた。
すでに子供2人に休みを与えて家を追い出していた銀時は、昼飯も食べずに土方に襲いかかったのだ。
それから3時間…。
散々愛されて殺されるかと思うほどいかされた。
銀時だって3発だしてる。
それから少しまどろんで、風呂に入って(ちなみに風呂でも中に出されたモノの後処理がてらに、一回いかされた。)飯を作り今にいたる。
時刻は18時…終わってからまだ4時間くらいしかたっておらず、土方は眠りたいほどに疲れていた。
「だって飯食ってる土方がエロいんだもん。」
土方を見る銀時の目が既に欲を映している。
その目で銀時は黒の着流しが包む風呂上がりで火照る白い体を、舐めるように見た。
「しっかりしろ銀時、そりゃ錯覚だ!」
「ちげーよ、お前エロいよ。すごいエロいよー。」
ちろちろ覗く赤い舌がたまんないんだよね〜、と呟く銀時に土方は戦慄を覚えた。
「マジで勘弁してくれ!色欲魔神!変態!!」
対面に座っていた銀時が身を乗り出してくると、土方は完全に怯えて机から体を離す。
応接セットのソファーに背中を押し付けるが、逃げ場がないのは火を見るより明らかだ。
「土方…夜はこれからだぜ。」
「よい子は夜に寝るんだぜぇぇぇ!」
銀時の本気を感じ土方が叫ぶが、半ばパニックになっているためなんかおかしい。
ドSの銀時は生唾を飲む。
そんな追い詰められた土方をもっと追い詰めて鳴かせたい。
「俺悪い子だし?」
「俺よい子だから寝るし!」
慌てて食器をまとめ始める土方を見て、銀時は「ふ〜ん」と呟く。
「俺悪い子だから悪戯大好きだし?」
銀時がそう言うと土方は立ち上がったままビタリと止まった。
「てめぇ、いい加減にしろよ!!」
ただでさえつり上がった鋭い目が、さらに鋭くなっている。
当たり前だが、どうやら本気で嫌らしい。