Parallel

□5(前編)
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本当は、『なんで?』って聞かれるのを期待していたのかもしれない。





土曜日の夜も、
12時を過ぎて坂田の誕生日になっても、
俺の望むメールは来ない。
空が白み始め、相変わらずしとどに雨を降らす空は真っ白で、ベッドの上から窓越しに降りしきる雨を見つめた。
変わらない空模様。
変わらない鬱々とした空気。
耳をうつのは雨音ばかり。

「………」

はれない。
はれる気配が、ない。
窓にコツンとおでこを寄せると、ヒンヤリとした空気を感じた。







『10月10日』





携帯はただひっそりと、俺の手の中にある。









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