Parallel

□5(後編)
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スポーツショップを出たら空には青空が広がっていた。
まだ少し雲が多かったけれど、気持ちのいい陽気だと思う。
俺はその青空の下、一人、歩く。
暖かい陽射しをいくら浴びても心は冷えて寒い。
たった一駅の電車の中にビニール傘を忘れたけれど、家に着いても俺はその事に気づかなかった。
存在すら忘れられたビニール傘は、電車に揺られてどこまで行くんだろう。
誰か、別の人の手に渡るのだろうか。
それともそのまま捨てられるのだろうか。
どちらになろうと俺の知らないところだ。






過ぎた事は、

もうどうしようもないのだから。












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