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□好敵手
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お泊りから2日後、火曜日のことである。
イサキと昼食を取っていると、イサキの携帯が鳴り出した。今時、着信音が着メロなんてそうそういないと思う。
携帯のディスプレイを確認するや否や、見たことがない様な嬉しそうな顔をして、はいもしもし、と電話に出た。
一体誰なのだろうか、と考えを巡らせていたが、それは本人の口からもたらされた。


「姉ちゃんが、遊びに来るって電話してきた!」


話を聞くと、イサキにはお姉さんが二人いるという。今度来るのは二番目のお姉さんで、週末に来るらしい。
良かったね、とこの話はここで終わった。


-


次の日の同じ時間。私は思わずぽかん、として腑抜けた声を出してしまった。


「…は?」


その原因は、勿論イサキにある。厳密に言えば、お姉さんの方にあるのだけれど…。
なんでそんな話になったのかが、イマイチ理解できない。

詳しく聞いた(吐かせた)ところ、イサキは私のことをお姉さんに話していたらしい。
そのせいなのか、お姉さんが私に会いたいという。


「なんか、私もよく分からないんやけど…。
嫌やったりあかんかったら断るからさ。」


イサキとお姉さんとの姉妹水入らずを邪魔する気など、私には毛頭ない。
厚意に甘えて断ろうかと思ったが、イサキがぼそりと呟いた、来て欲しいなあ、の一言で私は決心する。
何も予定ないからいいよ、と伝えると、先ほどまでの不安そうな顔が一気に華やいだ。
姉ちゃんと詳しい話は今日するから、また明日連絡するよ、と言って次の講義へと私達は別れていった。


-


今日は木曜日。それで、私はどうすればいいの?と問う。
今日の昼ご飯である、うどんを食べながら。ちなみにイサキはオムライスを食べている。

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