text
□変わる
1ページ/3ページ
なぜだろう。最近イサキとの距離が遠くなったように感じるのは。
いや、確実に避けられている。
私から話しかける分にはいつも通りなのだけれど、イサキから話しかけられることはなくなった。
今までだったら犬みたいに私に駆け寄って来ていた、イサキが。
何故こうなったのか、いつから避けられているのか、全く分からない。
本当に気付いたらこうなっていた。
私はイサキとこんなことで離れるなんて、納得できない。
それに、私の考えすぎなのかもしれない。
けれど、このままでいたくない。
とにかく原因を探るため、イサキの動向を調べることにした。
-
イサキを観察して3日が過ぎた。
分かったことは、イサキは私以外の人とは普通に話をしていること。
けれど、できるだけ私に会わないようにしている。
イサキも私を見ていたのだ。
イサキは自分の意思で私を避けていた。
それを知って、本当にショックを受けた。
思っていた以上に悲しくて、辛い。
泣いてしまいそうなくらい、苦しい。
そして改めて気付いてしまった。自覚はしていたけれど…。
イサキの存在が、私の中でこんなに大きくなっていたなんて、思わなかった。
どうして、こんなことになったんだろう。
私は、イサキに何か悪いことをしたのだろうか。傷つけてしまったのだろうか。
でも、正直私には思い当たることがない。
イサキをどうにか捕まえて、直接聞いてしまいたい。
けれど、それでイサキを傷つけることになってしまったら…。
私はすごく怖い。
イサキと一緒に居れなくなるのは、耐えられない。