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□好敵手
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「明日の夜に来て、日曜日に帰る予定みたい。土曜の昼間に一緒に出かけてくるよ。
やから、アヤは土曜日の夕方に家に来てー。
姉ちゃんが色々話をしてみたいそうやから、晩ご飯食べつつお酒飲みながらどうでしょう、やって。
お代は姉ちゃん持ってくれるからいいって。それで…たぶん帰れないと思うから、お泊まりでもいいかな?」


「分かったよ。私が行っても大丈夫そうだったら、連絡もらえるかな?
さすがに今回いきなりはマズイと思うから。」


そうだね、とイサキから返事をもらい、私達は別れる。

家に帰り、私はイサキの話を思い起こす。
何だか盛り沢山な気がした。初対面でのお泊り以外は、別に私に不都合はない。
それどころか、タダでご飯も食べれてお酒も飲めるなら、それくらい何とも思わない。
ただ気に掛かるのは、お姉さんの目的がイマイチよく分からないことと、うまく話せるだろうか、ということ。
しかしそれは、きっとお酒が入れば話も弾むだろう、と私は簡単に考えることにした。

それに、なんていったってイサキのお姉さんである。姉妹なのだから、似ているはず。
きっとふんわりした感じの人で、イサキみたいに天然っぽいんだろうか。
そう考えると、とても微笑ましいツーショットが拝めそうで、何だか楽しくなってくる。


-


イサキから連絡が来た。いよいよお姉さんに会う。
正直この階段を上がるのが怖いけれど、少々期待も膨らむ。
部屋の前まで来て、ついにインターホンを押す。

ガチャリ、と扉が開くと同時にはい、という返事が聞こえた。
しかしそこにいたのはイサキではなくて、お姉さんの方だった。
そして私は直感した。



この人は間違いない。私と同じ種類の人間だ。



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