.

□あの日
1ページ/6ページ



―――ここ、どこ?


そこはどこかの
ホテルの一室のようで。

たしかあたし、さっき
サクラとヒナタと別れて…


後ろから急にハンカチか
何かで口抑えられて……





「気がついた?」

突然、男の声がした。

振り返れない。

あたしはその時、自分の手が
ベッドに手錠で固定されていることに気づいた。


「だ、誰!?手錠外しなさいよ!」
そいつはクスっと笑った。

「駄目だよ。いのちゃん。
せっかく僕らが結ばれる日が来たのに。」

「な、んであたしの名前…!!」

「当たり前じゃないか、
僕らは運命共同体なんだから。」

ぞくっ!

あたしは寒気がした。


こいつ、ストーカーだ…!!


「あたしには彼氏もいるし、
あんたと運命共同体じゃない!」

そう叫ぶと、男はまた笑った。

「いいんだよ。いのちゃん。
生きてたら彼氏の1人や2人。いてもおかしくない。
過去のことなんか気にしない。」

「過去って…!!」

「だって僕らは
今から結ばれるんだから。」


そう言うと男は突然
あたしに覆い被さってきた。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ