お題置き場
□可愛らしく怖い 5題
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『え、なあに?蹴られたいの?』
今日も今日とて、宅配に命をかける姫が行くのは麦わら帽子の海賊旗が目印の海賊船。
愛船を近くにつけると、いつものように甲板まで登る。
「あら、姫じゃない」
「ナミさん、いつもご贔屓ありがとうございます!お届け物です」
「いつもありがとう。仕事が早くて確実だから助かる」
自分の仕事に誇りがある分、認められるのは凄く嬉しい。
大きな瞳を潤ませて優しい笑顔をむける。
「ありがとうございます!」
その愛らしさに男女問わず皆が見惚れているなか、我慢できずサンジが目をハートにしながら近付く。
「流石は姫さん!最高だっ!」
しかし、台詞の最後はうめき声に代わっていた。
何故ならば、ショートパンツにロングブーツを身に纏った美しい足が見事にサンジの鳩尾に決まったからだ。
「姫...さん...」
「近付くな、ゲスが」
虫けらを見るような冷たい視線がサンジに降り注がれる。
しかし、その視線に身を震わせ喜ぶのはサンジ。
「冷たい姫さんも素敵だー」
「ナミさん、止め刺してもいいですか?」
「んー、コックがいないと困るから半殺しで止めといてくれるかな?」
「了解しましたー」
そんな物騒な会話を怯えながら聞くウソップ、チョッパー。
「姫...さん?」
天高く蹴りあげた姫の足はいつもより美しく輝いていた。
『え、なあに?蹴られたいの?』
二度と歯の浮くような台詞が言えないように
内臓つぶれるまで
蹴ってあげるね