イナズマ×イレブン

□君じゃなきゃ愛せない
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「私ヒロトくんのことが好きです!」







―――突然の告白だった。







ー君じゃなきゃ愛せないー








朝の登校中いきなり同じクラスであろう子に呼び止められ告白された。



……正直名前すら覚えていない





「…ごめん俺好きな奴いるから…」


俺はとっさにそう言った。


いや嘘じゃないからその言葉がでたんだと思う。





「…私の知っている人?」


「…まぁ知ってるんじゃないかな?」


一応あいつも同じ学校だし…ね




「誰?私教えてもらわないと諦められない。」



女の子は潤んだ瞳で俺の目をまっすぐ見つめそう言った。



「…髪の毛が長くて一つに結んでて」



俺はあいつのことを思い出しながら
淡々と答えていく。






「年上に対してタメ口だし態度でかいし生意気だけど可愛くて」




あいつがいつ俺に敬語を使い始めるかなんて試したことあったけどいきなり敬語で話されたら嫌だなって思ってやめたんだよな。





「ことわざが大好きな奴。」


これがなきゃあいつじゃないからな…






「だから君の気持ちには答えられない…ごめんね」




女の子は誰だかわからないという顔をしていたが恥ずかしくなったのか急に俯き学校へと駆けていった。





「ごめんね…」


俺は女の子の駆けていく背中を見つめそう呟いた。


告白するのって…勇気いるんだよな

俺もいつかはあいつに告白……
出来るのかな?



……って


「…………緑川?」



近くの電柱から見える緑色の髪の毛を発見し俺は思わず声をかける。

俺の声に反応したのか電柱から見える緑色の髪が揺れ緑川が姿をあらわした。



やっぱり……って言うか


「もしかして…いまの聞いてた?」



緑川は大きくうなずいた。
それと同時に俺は自分の身体中が熱くなるのがわかった。



ヤバい…さすがにこれは恥ずかしい…







「…ヒロトの好きな奴って」



緑川はそういい上目遣いで俺に聞いてきた。



その目は少し潤んでいて
不安そうに眉が垂れさがっている。



いつもの生意気な緑川とはちがい
そのなんとも言えない表情がとても愛しくて…



あぁやっぱり可愛い








「フフっ君以外誰がいるんだい?」



俺はそう言って静かにほほえむと
優しく緑川の手を握った。


余裕ぶってるみたいだけど
こんなに早くしかもこんな形で
告白するとは思っても見なかったから
内心心臓バクバクで……



「……ヒロト顔真っ赤だよ」



そう言って緑川はえへへと笑い顔を真っ赤に染めた。



「お前もだよ」



俺はそっと緑川を抱きしめた。











俺は君以外愛せない





いや君じゃなきゃ愛せないんだ。





ーENDー

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