イナズマ×イレブン

□雷門高校文化祭!中編
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「じゃ風丸くん行ってらっしゃい!僕ら後ろからつけてくし何かあったら助けるからさっ」



昇降口付近に着き
吹雪が俺に手を振りながらそう言った。




とりあえず
自ら正体証すの禁止(つまんないから)
腕組み禁止(女の子はそんなことしません)
身の危険を感じても
疾風ダッシュ、風神の舞使用禁止
(スカートなので下着が見えてしまうため)


この三つを守れと言われました。




「…よし」



俺は少し気合いを入れ
学校内へと足を踏み入れた。



いつも通っているはずなのに
今日はまるで違う学校へ来ているような
そんな感じがした。




後ろを振り向くと
円堂、吹雪、マックス、半田が
5メートルくらい間をあけながら
しっかりとついてきている。



緑川はクラスの仕事があるからと
自分のクラスへ戻っていったらしい。



―――――




あの子可愛くね?
うわっ超可愛いんだけど!



俺が通るとすれ違う男子たちは
口をそろえてそう言った。




「…嬉しくねぇ」




俺はそうつぶやきながら
1年の校舎へと向かった。





1年の校舎を歩いていると
目の前から帝国学園の制服に身を包んだ
鬼道と佐久間、源田が歩いて来た。




鬼道はトレードマークだったゴーグルをはずし
ドレッドな髪型をハーフアップにして結んでいる。


佐久間は髪の毛が少し伸び
身長も伸びて大人っぽくなった。
まぁ眼帯をしているのは相変わらずで…



源田はさほど変化はみられず
落ち着いた雰囲気をかもし出している。
(というかそこまで絡みが深いわけではなかったので変化がわからない、といった方があっている。)




「…………」



俺がそんなことを思いながら
見つめていると不意に鬼道と目が合った。


鬼道は眉間にしわを寄せて俺を見つめ
すこし首を傾げ何か悩んでいる様子。



もしかして鬼道なら気づいてくれる…?
てか気づいてくれ鬼道!
そして俺の愚痴を聞いてくれ!



俺はそう念じながら
鬼道に熱い視線を送った。



――――『お口の中がユニバースブラストやぁ!』


鬼道が口を開いた瞬間
横の教室から緑川の声が聞こえた。



いま絶対「か」の口だった!
絶対「か」って言おうとしてたって!





俺は声がした方を向くとそこには




たこ焼き屋ジェミニ

僕らはどうせセカンドランク
でも美味しさはマスターランクさ☆



という看板が目に入った。



てか最後の言葉いらなくね?ださくね?
どんだけ緑川の黒歴史掘り返すんだよ…
かわいそうに…




「なにそれ〜!」



緑川の声に続き音無の笑い声が聞こえた。
そういえば音無は緑川と同じクラスだったな…



「春奈っ!」



鬼道はそう叫び
音無の声のした教室の中に入っていった。



「あっおにーちゃん!どう?似合ってる?」


俺は気になり教室をのぞいた。


音無はジェミニストームのユニフォームに
身を包み紫色のマントをつけていた。

ジェミニのユニフォームのおかげで
音無の胸が強調されていて
俺は目のいきどころを見失った…



「お兄ちゃんの真似してマントつけてみたの!」


音無はてへへと笑いくるりと一回転した。

鬼道はカバンから一眼レフを取り出し
音無を撮影し始めた。


佐久間と源田はすこし引きつった顔で
鬼道を見ている…
いや教室にいる全員が鬼道の行動を
引きつった顔でみていた。




「音無さーん!ちょっと手伝って…ってお兄さん!?」



鬼道が軽快にカメラのシャッターを押していると
裏で作業していたのか立向居が現れた。



立向居は
円堂同様丸かった顔がシャープになり
澄んだ青い瞳は純粋さを失わず
頼りがいのある目つきへと変わった。



「お兄さん…だと?」

鬼道は写真を撮るのをやめ
立向居へと視線を移す。


「えっあっいや…」


「立向居…貴様春奈とどういう関係だ?」



赤い切れ長の目が立向居をとらえる。
立向居は動けなくなり額から汗が流れ
目も若干涙目になってきている。


立向居の代わりに俺が説明します。
彼らは付き合っております。
しかも世界大会が終わってからです。
只今付き合って3年と1ヶ月です。

てか鬼道は気づかなかったのか…?



ぴりぴりした空気が教室に流れる。


俺はこの空気に耐えられず
逃げるように2年の校舎へと移動した。
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