book1
□こんなときくらいは・・・。
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「あ、ミーちょっと・・・」
と、立ち上がった瞬間。
ピカッ!
「っっ!!!」
雷鳴が轟き、ベルは離れようとするフランの服の裾をギュッと握った。
「・・・どしたんですかー?嫌いなだけでしょー?雷」
「ぅ・・・そ、だけど・・・」
ベルは少し震えながら涙目になって(実際見えないが)フランをみつめている。
(雷キターっ!)
「フラン・・・」
(こんなときだけ名前で呼ぶとか卑怯ですよー!しかも、いつもがアレだから余計ギャップ萌え)
自分の顔が少し火照ったのを自覚した。
「・・・なに顔赤くしてんだよ?こっちまでなんか恥ずかしくなるだろ」
そういい、意味が分からないと小首を傾げるベル。
あー。ミーは思いました。こんな可愛いセンパイをいじめるなんて出来ませーん。ミーもまだまだ修行が足りませんねー。
フランはベルにも聞こえるくらいのため息を1つした。
「仕方ないですねー、今日は、一緒に寝ますかー?」
「・・・どうしてっもって言うなら」
自分の弱み握られてるとこの人は思わないんですかねー。
「じゃー、どうしても」
「ん・・・」
そういい、ベルは入って来いと言わんばかりに自分がくるまっていた布団をフランが入れるように開けてくれた。
最初から雷が怖いから一緒に寝てと言えないのだろうかこの堕王子は。