No. 1〜30

□No.6
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私は彩ちゃんの声がした方へと顔をあげる。

「彩ちゃん!おはよーっ。湘北バスケ部!チュースッ!」

「「「チュース」」」

ん〜、朝の挨拶は気持ちいいね。

すると赤木先輩が近づいてきた。

「光月、遅い」

「すいません、迷子になりました」

私は赤木先輩に頭を下げる。

「……用事は済んだのか?」

これはきっと、安西先生が赤木先輩に伝えてくれたのだろう。

「はい。無事に」

私は笑顔で答える。

「それなら、さっさと準備して桜木を黙らせてくれ」

「はい!」

赤木先輩でも花道に手を焼かせるなんて。

花道はやっぱり扱い図らいのかな?

その時、陵南監督が赤木先輩の肩を叩いた。

「湘北は可愛いマネージャーが2人もいて、毎日やる気がでるだろう」

「い、いえ」

あ、赤木先輩が慌ててる。

どうしたんだ?

あっ、そうだっ。

「監督さん!」

「?」

「これ、陵南の方々にどうぞ」

私は紙袋から、レモンの蜂蜜漬けの入ったタッパを取り出し、陵南の監督さんに渡した。

「あぁ、ありがとう。皆でいただくよ」

陵南の監督さんは笑顔で言ってくれた。

「はい!では、試合でっ!」

私は、湘北ユニフォームの方へ赤木先輩と戻った。





「零さーん!」

花道が赤ユニフォーム10番を着けて、私によってきた。

……あれ?ユニフォーム?

「はい、花道、ウチラの分のレモン蜂蜜漬け。花道ユニフォーム貰えたんだ」

「この天才にかかればこんなもの!」

「ふぅん?」

余り興味がなかったため花道の話しをスルーして、紙袋からタッパを取り出し花道に渡す。

「あ、どうも。じゃなく!」

あ、花道に突っ込まれちゃった。

「うん?」

私は湘北メンバーに睨まれていた。

「ん?」

「“ん?”じゃないでしょ。敵に塩を送って……」

彩ちゃんがやれやれと頭を振る。

流川がコクンと頷いた。

「零さんは、センドーとボス猿の見方なんですか?」

ボス猿?

花道はまた涙ながらに、私に詰め寄る。
(後から聞くと陵南キャプテン魚住さんの事らしい)

「うっ。違うわよ、花道」

「どこがどう違うんスか〜」

花道がタッパの蓋を明けながら、聞いてきた。
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