No. 1〜30

□No.18
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「彩ちゃん」

「なぁに?」

「ミッチー、怒ってなくて良かった。……みんなも」

私はえへへと笑う。

「そうね、どっちかというと心配したんだから」

「うん。ごめん」

「そのかわりに、今日から沢山働いてもらうからね」

彩ちゃんが大きなスポーツバッグを私に渡した。

きっと中には、救急箱、大量のテーピング、ドリンク用のボトルとポカリの粉が入っているんだろうな。

「うん、頑張る」

「誰がスケベだって?」

私が彩ちゃんに元気よく返事をした瞬間、頭の上になにかが乗ったのがわかった。

「きゃー」

もちろん私は髪の毛をグシャグシャにされた。

「ミッチー!」

私はミッチーとジャレあいながら、集合した皆と会場へと向かった。





それを遠くから見ていた人物がいた。

「あ〜ぁ、昨日言ったこと本当にわかってんのかな?」

彰はため息混じりに呟いた。

「仙道、まさかとは思うが、湘北のマネージャーのこと……」

越野が彰に疑問を投げつけた。

「本気だよ。昨日告白したから」

彰はニッコリと笑って、会場に向かった。

おいていかれた越野は彰を追う。

「……はぁ」

越野は彰の背中を見ながらため息をついた。





三井と零がじゃれあっているのを近くで見てため息をついている人物もいた。

なかなか離れない二人の間に割って入るったのは流川だった。

「……」

ただなんの考えもなく行動したため、二人の邪魔をしたみたいになってしまった。

「どうしたの?」

零は不思議そうに流川に訪ねる。

「……勝つ」

「おぅ、勝ってこい!」

零は流川の背中をポンとたたいた。

「(こいつ絶対邪魔しにきたな)オラ流川、着替えるぞ」

三井は流川を睨み付け、ユニフォームに着替えるために流川とロッカーへ向かった。





インターハイ神奈川県大会初日。


湘北の対戦相手は三浦台高校。


湘北バスケ部の戦いが始まった。
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