イベント

□2010.03.21
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3月21日 Special
WhiteDay合同企画
君がくれたもの






バレンタインからちょうど1ヶ月。

3月14日といえば、ホワイトデー。

そんなのわかってるとか言うのはなしね。

だって、日曜日だし。

三井先輩は3月1日に卒業してるしっ。

さっきメール送ったけど、返信なくてかなりブルー。

いや、別に今日家に私しかいなからなぁんて、甘い展開を考えていたわけじゃないわよっ。

今日が白い日だろうとナントカデーだろうと、三井先輩と一緒に居たいっていう気持ちは、いつもあるわけで……。

……。

三井先輩のばかぁ。

大学に行っちゃったら、なかなか会えなくなるんだぞぉ。

だから、4月までは沢山会いたいのに。

私はこたつテーブルに突っ伏して、流れそうになる涙を必死で抑えていた。




ポーン




……だれ?

電池切れ気味のチャイムを聞いた私は、2階の私の部屋からでて玄関まできた。




ポーン

ポーン




「はいはい、いまでます!」

何度もなるチャイムに苛立ちを感じながら、玄関のドアをいきおいよく開けた。



「宅急便で〜す」



私の大好きな声で、有り得ないことを言った本人は、ニヤリと笑って私を見下ろしていた。

「……三井、先輩」

うそ。

「ほらよ、ホワイトデー」

三井先輩は、私に白くて四角い箱を突き出した。

私はそれを受け取った。

「おじゃましまぁす」

そう言って勝手に家に上がる三井先輩。

そんなことどうでもいい。

目元が、熱くなる。

「なにつったってんだよ……」

嬉しすぎて、涙が止まらない。

「そんなに感動したか?」

三井先輩の問い掛けに私は頷いた。

「そんなに嬉しかったのか?」

私は何度も頷いた。

すると、三井先輩に髪の毛をくしゃりと撫でられた。

「そりゃぁ、来た甲斐があるってもんだ」

三井先輩の声、三井先輩の笑顔、三井先輩に大きな手、三井先輩の温もり。

会えなくなっても忘れないように、沢山欲しい。

「あー、もう泣くな」

そう言って頬にキスをしてくれる三井先輩は優しくて。

「笑えよ」

真剣な眼差しで私を見つめる三井先輩はかっこよくて。

照れながら私が笑うと、唇にキスをしてくれる三井先輩が愛おしくて。

「大学行っても、こうやって会いに来るからな」

凄くカッコイイこと言っているのに、意図せず顔が赤くなるところがたまらなく大好きで。

「三井先輩」

「ん?」

「大好きです」

「……おう」

最高のホワイトデーを、ありがとうございます。

そして、いつまでも三井先輩のそばにいられますように。



君がくれたもの





END.

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