No.31〜60

□No.37
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月曜の朝、晴れ。

爽やかな朝。

いつもと違うのは、左手が少し重たいこと。



チー

自転車の音が聞こえてくる。

「おっはよう、流川」

「……ウス」

相変わらず眠たそうだな。

流川が眠たいながらも、私を見つめてくる。

「なに?」

「乗りますか?」

やった。

「もちろん!」

私は自転車にまたがった。

「流川、寝るなよ」

「ウス」

私達は、風を切った。





学校はいつもと違っていた。

騒がしいというかなんというか。

「リョータ!ミッチー!おっはよう」

校門近くで2人を見つけ、流川の後ろから手をふった。

「おいっ」

ミッチーが怒ってる。

ってか、妬いてる。

しばらく、流川と登校しよう。

面白いから。

私は自転車から飛び降りた。

「流川、ありがとう。リョータ教室まで競争!」

「えっ、零ちゃん待ってっ」

私達は教室まで走った。





時間はあっという間に流れて放課後。

「なんか、今日は騒がしかったね」

「そうね」

私と彩ちゃんは更衣室で着替えていた。

バスケ部体育館までの道のりで、皆がどこかしらでヒソヒソと話していた。

「あ、転校生が来るって言ってたからじゃないの?」

彩ちゃんが思い出したように言った。

転校生?

今の時期に転校だなんて、大変だな。

私は、すぐに着替えて体育館に向かった。





大会明け初部活の始まりは、ミーティングで始まった。

これからの練習日程や目標、夏休みの合宿について。

全国大会までやらなきゃいけないことが沢山ある。



「連絡は以上だ。なにか他にあるか?」

赤木先輩が皆を見渡した。

私はゆっくりと手をあげた。

「光月、なんだ?」

「みんなに伝えたいことが2つありまして……」

やっべ。

心臓バクバク言ってる。

改まって皆の前で話すのって苦手なんだよね。

私は彩ちゃんに促されるまま、皆の前に立った。
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