No.31〜60

□No.40
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翔陽学校祭まであと1週間。

今日も私の家の防音室で練習していたけど、訪問者が多くて、全く練習にならずパーティーみたいになってしまい……。

ま、楽しいからいっか。
メンバーは……面倒臭い。

あ〜、メンバーは

私とミッチー、花道、流川、洋平、
椿ちゃんとアリス、美雪、
藤真さんと花形さん、
牧さんと宗ちゃん、清田。

こんなもんかな。

「オレは?」

「きゃぁ!彰っ、抱きつくなっ」

今日はなにかにつけて、彰が私に抱きついてくる。

なんだろ。

うざい。

うざいんだけど、なんか隠してる?

「センドーっ」

花道が助けてくれた。

私は少し彰から離れようと、牧さんの所へ行った。

花道と彰は、なにか話しているようだった。

「牧さぁん」

「モテモテだな」

牧さんはクックッと声をあげて笑っていた。

「……牧さんこそ、椿ちゃんにひと」
「光月」

私が椿ちゃんの事を言おうとすると、牧さんに遮られてしまった。

「牧、まさか」

その話を聞いていた藤真さんが、話に加わってきた。

ちなみに宗ちゃんと清田は、アリスとバスケの話で盛り上がってる。

「椿ちゃんにひとめ」
「藤真っ」

藤真さんの話を慌てて遮る牧さん。

あれぇ?

「慌てちゃうところなんか、怪しいですね」

「怪しいな」

私と藤真さんは、ほんのり赤くなった牧さんを見て、ニヤリと笑った。

「椿ちゃ〜ん」

「はぁい」

「おいで」

「光月っ」

私が椿ちゃんを呼ぶと、牧さんはかなり慌てた様子。

「一度は話しておかないと、損しますよ」

私がそう言うと、椿ちゃんが来た。

「あ、椿ちゃんココね」

椿ちゃんを私と牧さんの間に座らせた。

「椿ちゃん、こっちが牧さんでこっちが藤真さん」

「あ、はい!はじめまして。木之本椿と申します」

礼儀正しくて素敵だわ椿ちゃん。

「あのっ、海南……ですよね?」

椿ちゃんは牧さんに首をかしげて聞いた。

牧さん、困ってる。

「海南だ」

牧さんは照れながらも、短く答えた。

「あ、じゃぁやっぱり!あのっ、仙道さんと沢山点を取り合ってた方ですよね?」

……?

「椿ちゃん、海南対陵南戦見たんだ」

「はい!洋平くんに無理言って……」

椿ちゃんはそう言って、少し困ったような顔をした。

ちょうどその時、洋平のことで色々悩んでたからね。

牧さんは、見逃してないようだった。

牧さんの困ったようで椿ちゃんを見守るような目。

案外本気かも、牧さん。
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