仙道彰編

□Vol.02
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「嫌い」

「え?」

「大っ嫌い!」





持ちつ持たれつ





彰くんと付き合って1ヶ月。

なんだかんだ、気が合う私達。

食べ物の趣向は特に。



明日、湘北高校との練習試合で陵南バスケ部は気合いが入っていた。

もちろん彰くんも。



ただ、昨日、喧嘩してしまった。

……しかも、私が一方的に怒っただけ。

なので朝から彰くんと、口を聞いていない。

越野くんが私達の雰囲気を察して、フォローしてくれるが私から折れるつもりはない。

原因は彰くんだから。

あんなルーズで女たらしだとは思わなかった。

……女たらしは、私の勝手な想像。

でも、嘘までついて他の人といたのは、いい気分じゃない。

嘘が嫌い。

なんで嘘ついたの?。

別に彰くんのファンの子達ぐらいで、私は妬いたりしない。

とゆか妬けるほど、初めての恋にまだ余裕がない。

私は嘘をついたことに、腹を立てていた。



「零、お昼体育館に行こう?」

彰くんからのお誘い。

私はムシを決め込んだ。

「零、話し聞いて?」

今は聞きたくない。

もう少し待ってよ。

ちゃんと聞くから。

「零」

だからそんな悲しい声で私を呼ばないで。

「光月ちゃん」

呼ばれて私は越野くんを見た。

「あのさ、もう」

「オレはムシで、越野には反応するんだ」

私は彰くんの言葉に衝撃を受けた。

驚いた私は、彰くんの顔を凝視してしまった。

「……わかったよ」

彰くんはそういって席を立ち上がった。

「おい、仙道っ」

越野くんが慌てて彰くんを呼び止める。

「オレ、サボりね」

彰くんはそう言って、教室を出ていってしまった。

……意味わかんない。

「光月ちゃん、あまり気にしないで。あいつも今、感情的になってるだけだよ」

あいつも……。

私も、十分感情的ってこと?

私はただ、嘘をつかれた事が……。

「少し時間を置いて話そうか」

越野くんは出来るだけの笑顔を、私に向けてくれた。

越野くんまで巻き込んでる。

どうにかしなくちゃ。

でも、どうしたらいいかわからない。



そう思っているうちに、授業が始まってしまった。
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