仙道彰編

□Vol.03
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休日に約束した。

彰くんの部活が終わってからの、午後3時からデート。



暇な私は、待ち合わせ近くの図書館で読書を満喫していた。

約束あと2時間ちょっと。

もう一冊ぐらい読めるかな?

私は本棚を見上げた。

めぼしい物が見つからない。

……スポーツ雑誌でも読んで見ようかな。

少しでも、彼との共通点を増やしたいし。

私は雑誌コーナーへ向かった。

うわっ、雑誌って結構種類があるなぁ。

どれを選べば……。

「もしかしてバスケの雑誌を探してる?」

へ?

「だったら、この2冊を進めるよ。“バスケットボール”と“シュート”」

「藤真さん」

そこにいたのは藤真さんだった。

「久しぶりだね。会いたかったよ零ちゃん」

藤真さんがニッコリと笑った。

「出会いも再会も図書館だなんて、運命感じるね」

私はとりあえず、首を横にふった。

「おめかししちゃって、今日デート?」

私は更に首を横にふる。

「じゃぁデートまでの時間、少しオレに付き合ってよ」

藤真さんに手を引かれ、どこかに連れていかれた。

ってか、人の話しを聞いてよ。

彰くんよりマイペースな人だ。

……従うほかなかったので、私は藤真さんに黙って手を引かれた。





連れていかれたのは“ALICE”という喫茶店。

「可愛い」

だされたコーヒーカップは、白地に華やかかつ繊細にに装飾されていて芸術品みたいだった。、

「アンティークカフェ“ALICE”。一度来てみたかったんだ」

藤真さんスマイルが私を見た。

……一人でこれば良かったのに。

「男一人じゃなかなか入りずらいだろ?」

 !

また心の中読まれた。

……藤真さんはアンティークが好きなのかな?

「好きだよ」

えっ。

私が驚いて藤真さんを凝視していると、藤真さんは笑い出した。

「本当、零ちゃんは可愛いね」

私、からかわれているのかな?

「好きな子ほどいじめたくなるって言うだろ?」

……。

「あ、ごめん。怒っちゃった?」

藤真さんの大きな瞳が私を覗き込んだ。

綺麗な瞳。

迂闊にもときめいてしまった私は、おもいっきり藤真さんから顔をそむけた。

「照れてる零ちゃんも可愛いね」

なんだろう。

この人といると調子狂う。

考えてることは読まれちゃうし。

私ってそんなに顔に出やすいのかな?

「お待たせしました」

店員が私達のテーブルに現れた。
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