No. 1〜30

□No.4
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レイアップ乱闘の次の日、私は早起きした。

早起きするつもりはなかったが、自然と目が覚めたものは仕方ない。

シュート練習ぐらいなら出来るかな……。

私は学校へ行く準備と着替えを持ち、最近見つけた、屋外にあるバスケットコートに向かった。

「えーっと、確かこの辺に……」



ダムダムダム

近くからドリブルの音が聞こえてきた。

「あ、先客?最近多いなぁ、先客。嫌がらせ?」

残念に思いながらも、誰がバスケをしているか気になって、音のする方へと歩き出した。



ダムダムダム

バコン

ダムダムダム

「フン」

ガコン

この声は、花道?

コート近くに来ると自転車を見つけた。

フェンス越しに中を見ると、花道と晴子ちゃんが(多分)レイアップの練習をしているようだった。

それを茂みから流川が見ている。

「これはこれは」

面白い場面に遭遇したかも。

ダムダムダム

花道がドリブルをする。

「うりゃ」

ドゴン

私は静かに流川に近づく。

「(手が悪い……はやく帰れ)」

「手が悪いよね」

ビクッ

流川は物凄い勢いで顔だけを私に向けた。
あははっ。

「ごめんね、驚かしちゃって。おはよう」

「はよっス」

あ、挨拶してくれた。

う〜ん。後輩って可愛い。

「花道、レイアップの練習してるね」

私はあくまでも、ヒソヒソと流川に話しかけている。

流川は無言でボールを人差し指の上で回している。

私は出来ないのに。

いいなぁ、あとで練習しよう。



ダムダムダム

ドリブル音が聞こえてきたので、花道を見た。

「高くジャンプー」

「「お」」

花道を見た私と流川は、きっと同じことを思ったんだと思う。

今のはいい感じだった。

おしいよ、花道。

花道は晴子ちゃんとなにか話している。
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