No. 1〜30
□No.7
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ハーフタイム
コートに出てた選手が、それぞれのベンチに戻る。
湘北ベンチに最初に戻ってきたのは、流川だった。
「凄いじゃん流川」
そう言いながら流川にドリンクを渡した。
「前半得点14だって」
「ウス」
流川は私からドリンクを受け取り、ゆっくり飲み始めた。
「赤木先輩も17点」
赤木先輩にドリンクを渡し、私は綾南ベンチを見た。
彰はまだ息が上がってない、か。
これは、後半更に厳しくなりそうだな。
「先輩」
「え?あ、はい」
突然、流川に呼ばれ私は吃る。
「レモン、食べていいですか?」
「おう」
私はタッパを取り出し、蓋を明け、流川に差し出した。
流川は無言でレモン蜂蜜漬けを食べている。
彩ちゃんが、私を見て笑っている。
ったく。
そうゆうのじゃないと思うんだけどなぁ。
流川も流川だよ。
せめて“美味しい”とひとことってくれれば可愛いのに。
「俺も貰っていいかな?」
「はい。……って、彰!」
私は振り向いてから彰の存在に気付くと、後ずさりしてしまった。
「「「……彰??」」」
湘北メンバーが仲良くハモったのが、ちょっと可笑しかった。