No. 1〜30
□No.11
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リョータが復帰した次の日から、犬猿の仲だと思われた花道とリョータが、
妙な団結力を生み出し、仲良くなっているのを発見した。
それからのリョータは、部活で花道にフェイントを教えるようになっていた。
「あははは」
「零さん!笑いすぎですっ」
私はリョータのフェイントに引っ掛かりまくる花道を笑っていた。
「あ〜、ごめんごめん」
そう言ったものの、私の笑いが止まらない。
そして花道はまたリョータに抜かれる。
「……(単純すぎ)」
「単純すぎだよね」
ビクッ
私は、ボーッと花道とリョータを見ている流川にそうっと近づき、声をかけた。
「……(普通にでてこれないのか?)」
そんな流川の心の叫びを知らずに私は、コートに声をあげた。
「桑ちゃん!桑ちゃんもやってみな!」
「え!?あ、はい!」
自分の名前を呼ばれた桑ちゃんは、ボールを持って、花道の前に立った。
「抜かせん!」
花道が気合いを入れる。
が、桑ちゃんにあっさり抜かれてしまった。
「桑田、ウマイじゃん!」
リョータが桑ちゃんに話しかける。
よしよし。ポイントガードの縦の繋がりができたぞ。
私の一年生強化計画はすでに始まっていた。