No.31〜60
□No.35
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流川のフリースロー後、彰のパスで魚住さんにゴールを奪われるものの、流川がすぐに得点を取り返した。
「今の、パスを貰ってからシュートまでが短いな」
藤真さんが、流川の分析にはいる。
「そうだな、あれを決めるのは見た目以上に難しい」
牧さんも。
彰も攻めにはいったら、流川じゃ止められなくなる。
それはお互い様。
「彰が黙ってるわけない」
そう言ったやさき、彰が流川相手にドライブをかけ急停止し、股下でドリブルをしてからシュートを放った。
さっきの流川とおなじプレイ。
ってか、
「だから、それは私のっ」
私の拳に力が入った。
コート上では。
「流川」
ディフェンスにつきながら、仙道が流川に話しかけた。
「今のプレイ、零のを見てやったんだろ」
「 ！ 」
流川は図星だった。
光月が宮城と１ｏｎ１をやっている時に見せたプレイだった。
仙道は流川の反応を見て笑った。
「やっぱりな。あいつはすげぇや」
「……」
流川にボールが渡り、会話は途切れた。
試合は我慢の状態がしばらく続いた。
互いに得点源を封じ、得点を与えなかった。
それを破ったのは彰だった。
赤木先輩と流川のブロック。
彰は、赤木先輩の腕を交わし、形の崩れたレイアップシュートを決めた。
「嫌なの、思い出させるな。あいつは」
私は呟いた。
練習試合の最後も、あれでやられたんだ。
嫌みなやつだ。
すると今度は、流川がスリーポイントを決め、同点に追いついた。
流川がどうだ、と陵南ベンチを挑発する。
「不敵」
牧さんが呟いた。
ほんっと、
「負けず嫌いですから」
私は、苦笑いで牧さんに返した。
「あれは？」
清田が指を指して私に聞いてきた。
コートを見ると、花道が形のなっていないシュートを放っていた。
「あのバカっ」
私は思わず頭を抱えた。
「自らとーる！」
花道がリバウンドに飛ぶ。
赤木先輩と魚住さんも一緒に飛ぶが、リバウンドは花道が制した。
「リバウンドだけだったら神奈川No.１なのに……、リバウンドだけね」
私はため息を落とした。
「オレはあいつの事は認めているんだがな……」
……え？
「今、いまなんて？」
私は花形さんの方へと体をひねった。
「あ、いやぁ……」
花形さんが、私から目を反らした。
私もコートへと視線を戻してから、小さくガッツポーズした。
花道！
花形さんに誉められたよ。
……ちょっと羨ましすぎるけど（ちょっとじゃないじゃん）、やったよ花道。
ピィッ
え？
「白４番！」
審判が叫んだ。
なにがあったの？
魚住さんがファウル？