No. 1〜30

□No.3
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「おい、流川!!」

赤木先輩が流川を呼んだ。

「ドリブルシュートの手本を見せてやれ」

「ウス」

「「「キャー」」」

むっ。

さっき晴子ちゃんに怒られたばっかりなのに。

反省の色が無い。

「なんでルカワがぁ」

花道は文句垂れるな。

せっかくシュート練習できるのに。

「花道」

「零さん!」

少し低い私の声に花道はビクッと体飛んだ。

「見本を見せてくれるって言うんだから、流川のシュート、ちゃんと見なさい」

花道は気にくわないだろうけど。

花道は渋々了承した。

流川のドリブルからレイアップ。

やっぱりフォームがキレイだ。

「やだよあんな庶民のやる事は。この天才桜木にはスラムダンクが似合うんだ」

お前ってやつは……。

「花道」

「零さんからも言ってください!俺はぁっ」

「今日一日ボールに触らないのと、レイアップの練習するの、どっちがいい?」

私は笑顔で花道に問いかけた。

(可愛いけど怖い!)

私の笑顔を見た全員が身震いしたのも気付かずに花道に笑いかける。

「……シュート練習します」

「よしよし」

私は花道の頭を背伸びをして撫でてあげた。



とはいえ、花道は初心者。

何度やってもなかなかレイアップシュートは入らない。

イライラしてくるのは解るけど。

そう思ったときはもう遅かった。

花道が見本のシュートをしようとする流川に向かってボールを投げた。

「手がスベッタ」

あ〜あ、やっちゃった。

まぁ、赤木先輩に怒られたから良しとしよう。

もう一度、花道が気合いを入れた。

ただ、洋平達のヤジがうるさい。

「コラッ!ヤジを飛ばすな!」

「「「「はーい」」」」

洋平達がやる気のない返事をする。

……まぁ、良しとしよう。

「スーハー」

花道の深呼吸?

ドリブルから踏み出して、花道の手から離れたボールはバックボード縁にぶつかり、花道の顔面を直撃した。
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