No. 1〜30

□No.4
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「……昨日はごめんね」

私は流川にそっと話しかけた。

「?」

「せっかく見本をしてくれたのに、花道が憤慨しちゃって」

「いや、別に」



ダムダムダム

またドリブル音が聞こえてきた。

「……よし、飛べ!花道」



スパっ

「やった、出来た」

私は思わずガッツポーズをとった。

花道と晴子ちゃんはとっても喜んでいる様子。

「(終ったんならはやく帰れよな……)」

「あ、帰るみたい」

花道と晴子ちゃん。

2人仲良くコートを出ていった。

「……声、掛けなくていいんスか」

流川の意外な質問に私は驚いた。

「うん。花道の邪魔しちゃいけないし」

晴子ちゃんと思いっきりラブラブしてこい、花道。
ん〜、私ってばやっさしい。

「……1on1やりません?」

「え?」

この誘いにも驚いた。

だっていきなり、

「バスケ、やりにきたんじゃねぇの?ボール持って」

「そ、そうだけども」

シュート練習ならともかく、1on1はちょっと。

「ごめん。出来ないや」

「……ふうん」

流川はそのまま、コートへドリブルしながら入っていった。

ごめんね流川。

私も1on1やりたいんだよー。

でも、今は出来ないの。



ダムダムダム

あ〜、やっぱりキレイだなぁ。

私は茂みから出て、流川のプレイを見ていた。

流川のスリーポイントラインからシュート。



スパン

おぉ、入った。

スリーポイントはあの人の方がキレイかも。

「……」

流川が無言で近づいてきた。

「なに?」

「なにしに来たの」

「え?あぁ、シュート練習しに……」

しか、できないんだよ。

「……スリー、勝負」

流川がボールを掴んだ右手をつき出してきた。

スリーポイントが何本入るか、勝負と言っているらしい。

なんとなくわかった。

なんだかちょっと嬉しい。

「おう」

私は荷物を起きコートに向かった。

「スリーポイントは負けないよ」

私は流川と勝負した。
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