No. 1〜30

□No.5
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一緒に帰るとは言ったものの、相手は流川。

全く会話がない。

ちょっとでも喜んだ私が馬鹿でした。

「流川さぁ」

私はたまらず、流川に話しかける。

流川は自転車を押しながら顔だけを私に向ける。

「バスケ、いつからやってるの?」

「ガキのころから」

流川はフイっと前を向いた。

……いつだよ。

「目標は?」

「……」

「目標ないの?」

「アメリカ」

え?アメリカ?

「アメリカ、行くの?」

コクン

そっかぁ、流川は一生バスケしたいんだ。

それとも、上手くなりたいのかな。

「ふぅん」

なんか、残念だな。

よくわかんないけど、残念な気持ち。

「日本一にはならないの?」

「……」

この私の問いかけに、流川は答えなかった。

花道と流川のコンビ、楽しみだったのになぁ。

って、高校生のうちに行くとは限らないしね。

アメリカかぁ。

そういえばアメリカに知り合いがいたな……。

「先輩は」

「ん?」

色んな思想に更けていると、流川が私を呼んだ。
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