Novel


□切れない赤に絡みカラマレ
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Prologue


「……ごめんなさい、ゴーランド。こんなことになるだなんて考えもしなかったわ」


例えば白く長い耳をもったストーカーウサギがあの話を聞いていたのなら。
「僕らの間に結ばれた運命の赤い糸、このまま見えないだなんて意味がありません!! だから、見える糸を上に結んでしまいましょうよ〜」だとか。
とんでもない妄想発言を言いだすんじゃないかって容易に想像ついたんだけど。

私のボリスに対しての認識は、いまだに賢い猫どまりな部分も確かにあったから。
おかげでまるっきし考えが及ばなくて。

まさか。
まさか、ボリスもが実際に結びたいとか考えてたなんて……思わなかった。


そして、結び合うのを了承したのも。
きっと私の脳みその大半が彼にとろけて役立たずへとなり果てていたから。


手錠や鎖だのを使って、私をどうにかこうにか遊園地に留めて置こうとしたのは随分前まで。
そう、時間の流れはあやふやだけどそれでも随分前と感じるぐらいに、長い時間を私とボリスは一緒に過ごしてきた。

最近の彼はそういった拘束具もろもろを今のところは使う気ないらしく、私の行く先々に何処へでも始終べったりくっついて来るだけ。







彼は今、私に振り回されてくれている。

つかみどころのないチェシャ猫なのに。

私はルールに縛られることのない余所者。


だからもう少しだけ、振り回させて?


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彼女は今、俺を振り回してくれている。

俺はどこまでも自由なチェシャ猫なのに。

困るけど、こうゆうの嫌いじゃない。


振り回されるのもアリスなら。


>>>

091113.

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