et cetera
□いっしょに
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−何かあったのかな?
校舎の中の階段を飛ぶように駆け上がりながら、さくらの心の中はその気持ちでいっぱいだった。
「木之本さん、その服かわいいね」
「ありがとう。2年1組の教室でやってるの来てね」
すれ違いざまに声をかけられると反射的にお友達から言われていた台詞が出てきた。
今日は友枝中学校の文化祭。
行き交う人たちは多く、大人や小学生の姿も多く見られた。
さっきまで靴箱の前で小狼を待っていたさくらだったが、約束の時間を過ぎても現れない彼に不安を感じ、教室まで迎えに行こうとしていた。
「やあ、木之本さんどうしたんだい?」
小狼の教室の前に置かれた机に見知った顔を見て、さくらはほっと一息ついた。
「山崎君。小狼くんいるかな。」
そう尋ねながら、ちょっとだけ疑問が頭の中を掠めた。昨日小狼とした電話の中で、
『午前中一時間ほど受付をしたら後は自由の身だから』
と彼は言っていた、小狼がいるであろう受付に座っていたのは小学校からの友達の山崎。
「李君なら中にいるよ、あとね木之本さん・・・」
「ありがとう!」
言葉が続きそうな山崎の横をすり抜け、なにやら暗幕で仕切られた教室の中に思い切りよく飛び込んだ。
周りには目もくれず、まっすぐだろう道をずんずんと進んでいったが、その中があまりに暗く、足元を照らす明かりすらない。
−そういえば、昨日小狼が絶対に教室の中には入るなって言っていたけど、何でだったんだろう。
昨日の会話を思い出して、少しだけいやな予感がしたさくらは、立ち止まると足元だけを見ていた視線を上へと上げてみた。
青白い光の中に立っているのは血まみれで、髪を振り乱している女の人
「ほえーーーー!!!!」