et cetera

□If 〜出会い
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「転校生を紹介する。香港から来た『李 小狼』君だ。席は木之本の後ろだな」

友枝小学校に季節外れの転校生が来たのは6月。

「よろしくお願いします」

礼儀正しく頭を下げ、担任の寺田先生が示した自分の席の後ろにつく少年と目が合った。

「木之本 桜です。よろしく」

少し笑って挨拶をしたが、彼はしばらく立ち止まって、何か言いたげな表情をしていたが視線をそらすと後ろにある席に座った。

休み時間うわさ好きの生徒が後ろの席の転校生を取り囲んでいた。矢継ぎ早に繰り出される質問に短い言葉で答えていたが、だんだんとその返答が詰まってきていた。
すごく困っている感じがしていて、どうしようかと迷っているうちに休み時間が終了していた。
チャイムの音と同時にした大きなため息が、たくさんの人に取り囲まれることに慣れていない証拠のようにも思えた。

日々の中で繰り返されるのはあいさつのみ。後ろの席の彼は口数も少なく、友人も作ろうという気配はなかった。唯一山崎君とのみ親しげに話をする様子が見られたが、実際は一方的に山崎君が話しかけているだけのようだった。
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