Short Story 2

□この場所で
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トクトク鳴る胸の奥がぎゅってつかまれたみたいに痛くって、なのにうれしくて、
いつまでもこの気持ちを感じていたくって目を閉じて、ひとつ、ひとつの言葉と声を思い出す。

これからは、いっしょにいられる。
目を閉じて寝てしまったら、全部が夢になってしまいそうで、今日見たもの全部が消えてなくなる気がした。

「明日も迎えに来るから」

ふわふわと夢見心地に投げ掛けられた言葉。
約束の明日にはもうなっていて、窓の外は明るい日差し。

―ジリ

鳴り出そうとした目覚ましを一瞬で止めて、窓の外を覗くと、昇ったばかりの太陽が屋根の上を照らし出していた。
パジャマから着慣れた制服に着替えて、鏡を覗き込む。
うん、大丈夫。

一通り確認して、鏡の前で笑顔をチェック。
ちゃんと笑えるかなぁ。
唇の端をあげて、笑ってみる。
よし、ちゃんと笑えてる。
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