Short Story 2

□うしろ姿
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何かに似てるんだよね。
小さな体を右や左に揺らしながら、気合いの入った声を出している後ろ姿。
その姿を見て、さくらは喉元から出かかる言葉を探したけれど、うまくいかなかった。

「さくらちゃんどうされましたの?」

一緒にやった宿題は、いつもより早く終わって、お父さん手作りのクッキーをおやつにして、ゲームをしているケロちゃんを眺めていると、ともよちゃんが声をかけてきた。

「あのね、ケロちゃんの後ろ姿何かに似てると思うんだけど、何かわからなくって…」
「まあ、そんなことですか」

両手に抱えるように持っていたカップをテーブルの上に置くと、ケロちゃんの丸い耳をペタンと倒した。

「これならお分かりになるんじやありません?」

そういいながら微笑んだ知世は、何が起こったのかと驚くケルベロスを振り向かないように押さえると、さらに悪魔的な微笑みを浮かべた。

丸みのある頭と胴体。
短い手足に揺れるしっぽ。
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