Short Story 1
□それはね
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「どこがすきなの?」
お友達にそう聞かれて改めて考える。
小狼くんのどこがすきなのか。答えは『全部』
でも、
「どんなお話しするの?」
そう聞かれると答えられない。
いつもお話しするのは私で、小狼くんは聞いてくれる。小狼くんからのお話はだいたいいつ仕事があるから会えないとか、勉強のお話とか。
でもそれはぜんぜん嫌なことではなく、かえって小狼くんらしいなとか思ってしまう。
それを言うと知世ちゃんは「お二人らしいです」といってくれる。
他のお友達は「楽しいの?」と聞いてくる。
楽しいから二人でいる。
それもある。でも二人でいるときの静かな時間も好きだし、楽しい。
お互いに自分のことをしたり、本を読む小狼くんを見るのもいいな。
凛とした横顔がかっこよくって、うっとりとしてしまう。
でも一番楽しいのは。
「小狼くん 好き」
「な、な ////」
そう口にしたとき、ものすごくうろたえる彼を見ることかな。
それは 私だけの秘密なんだ。