Short Story 1

□手紙〜from sakura
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「はー、楽しかった。」

友枝商店街の中にあるカフェでランチが終わったときに、知世ちゃんのお母さんはうっとりするような顔でそうつぶやいて、紅茶を飲んでいた私の顔を覗き込んだ。

「撫子ともよく下着とか買いに行ったのよ!ほら、ああいうところって女の子同士じゃないといけないでしょ。」
「でも、こんなに買ってもらって・・・。」

机の横に置かれた紙袋に目をやった。

「あら、いいのよ。なんだかさくらちゃんのお母さんになったみたいで嬉しかったんだもの。そのお礼よ。」

顔が赤くなる、お母さんとの買い物ってこんな感じなんだろうかとも思う。いつもなら自分で選んだり、悩んだりするのに、今日はそんな暇もないぐらい・・・。

「また、一緒に行きましょうね。」

赤くなったほっぺたにそっと手をおかれた。

「はい!!」

嬉しくってつい大きな声が出て、周りのお客さんの注目を集めてしまった。

「本当に残念。仕事がなかったらこの後もお買い物するのに・・・。」

本当に残念そうに席を立ってレジカウンターに。

「お家まで送らなくて大丈夫?」
「すぐそこですし、お夕飯のお買い物もありますから。」
「そう、今度はお家に遊びにきてね。ぜったいよ!」
「はい、今日はありがとうございました」

名残惜しそうに知世ちゃんのお母さんは仕事に向かっていった。
(本当によかったのかな)
手に提げた紙袋が急に重たく感じる。でも、きっと一人だったら買いにはいけない。
クラスのお友達も最近は白一色のものからレースやワイヤーの入ったものに変わっていっていた。気にならないと言えばうそになる、でも、買いに行く勇気もなかった。
(知世ちゃんがお願いしてくれたのかな。)
帰り道ぼんやりとそんなことを思った。月曜日聞いてみよう、きっとそうに違いないから。

「そんなことありませんわ。ただ、お母様には「さくらちゃんのお胸が最近大きくなって心配ですわ」とお話しただけですから。」

教室でそっと尋ねたら。にっこりとそういった。

「やはり、好きな方ができられると、体まで成長するのですわね」
「/////」

ということがありました。でも、まだ使うのがもったいなくてタンスの中にしまってあります。もう少しピッタリになるまで大事にしまっておこうと思います。
すごく変なこと書いちゃいました。でも、なんだか嬉しくてついお手紙に書いてしまいました。ごめんなさい。
今度はもっとちゃんとしたお手紙にします。

さくらより


(なんて、手紙書いちゃったんだけど)
今朝ポストに投函した手紙を思い返してさくらは一人赤くなっていた。

嬉しい気持ち、初めてのこと分け合いたいのあなたと・・・。

おわり
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