CP小説
□たとえばこんなバレンタイン
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陽菜は家に入るとすぐにベッドに倒れた。
まだ仕事残ってるのに帰ってきちゃった…
そう思い起き上がったが、すぐに倒れた。
でも、社長に会いづらい
バレンタインデーは、女の子が好きな男にチョコをあげる日だが、昨今では職場の男性に『義理』としてあげることもある。
だから、陽菜はお世話になっている男性――辻原と中之井、我聞の3人分のチョコを買いに行った。
行ったのだが、真剣に選び買ったのはたった1つ。
我聞の分だけだった。
…勉強でもやろうかな
再び起き上がろうとしたとき、声が聞こえた。
「國生さーん?」
我聞の声だった。
今はすごく会いたくないのだが、真面目な性格なため、居留守を使ってはいけないと思いドアを開けた。
「なんですか、社長」
「これのことなんだけど…」
我聞の言う『これ』とは陽菜が渡したチョコらしく、我聞はチョコを陽菜に差し出した。
「だ、だから、社長にあげますって!」
「でも、こんな立派なもんもらってもなんか悪いと思ってさ、せっかく國生さんが買ってきたんだから、一緒に食べよ」
陽菜は我聞の意外な提案に驚いたが、笑顔の我聞につられて微笑んだ。
「はい」
世の中のバレンタインがどういうものか知らないけど、私はこれで充分
社長が隣で笑ってくれてれば、それで
fin