CP小説
□君だけの感情
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パソコンの画面を真剣に見つめ、ひたすらキーを打つ光子郎をミミはしかめっ面で見ていた。
「ねぇ、光子郎くん」
ミミが呼びかけても、光子郎から返事はない。
「光子郎くん光子郎くんっ光子郎くんっ!!」
「はい」
何回も呼んで返ってきた言葉は『はい』の2文字。
「まだ?」
「すみません、あと少し…」
「さっきもそう言った」
「すみません」
反射神経で答えているのか、光子郎からの返事はさっきから変わらない。
ミミの苛立ちはつのるばかり。
「ばか」
光子郎に聞こえているかは分からないが、そう言い残して、ミミはパソコン室を出た。
そのまま帰ってやろうと昇降口に足を向けたが、向けただけで動かない。
それでもやっぱり、一緒に帰りたいから
「あーもうっ」
この複雑な想いをどうしようか
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