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□頂き物〜俺とロープとダブルデート〜
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はぁ、何でこうなったんだ……?









アヤメ
「銀ちゃん!早く早く!」



「ほら明久も急いで!」


銀華
「いやもういいだろ!?さっきから何件回ってると思ってんだ!?」


明久
「そうだよ!このままだと明日からの僕の主食はまた公園の水になっちゃうよ!」


アヤメ・?
「「ごちゃごちゃ言わないっ!」」


銀華・明久
「「………はい」」


俺と明久は肩身の狭い思いをしている。

ことの発端は些細なことだったんだ。



























アヤメ
「〜〜〜♪」


現在俺の隣をアヤメは鼻歌混じりに歩いている。その理由は……


アヤメ
「ふふ。銀ちゃんとデート♪」


と言うわけだ。

嫌じゃない、嫌じゃないんだ。ただ、こうなった理由がなぁ。






昨日の夜、俺はアヤメに隠れてコッソリと酒を飲んでいた。
   ↓
アヤメに目撃される。
   ↓
当然怒られる。
   ↓
罰として全て俺のおごりでデートを命じられる。
   ↓
もちろん反論する。
   ↓
しかし、合宿の時の覗き騒動を姉貴にバラすと脅される。
   ↓
こころよく承諾。





と言うわけだ。まぁ百パー俺が悪いんだけどな。

しかし、ただでさえ今月ピンチなのに全ておごりはキツいよな。



アヤメ
「あれ?」


突然アヤメが立ち止まる。


銀華
「ん?どうした?」


アヤメ
「あれ明久君じゃない?」


アヤメが指差す方向を見ると、確かにバカ日本代表の明久が歩いていた。けど、


銀華
「隣に誰かいるな。誰だ?」


アヤメ
「さぁ?」


明久の隣にはオレンジ色の髪をポニーテールにした見慣れない女子が歩いていた。


銀華
「おーい明久!」


明久
「ぎ、銀華、東城さん!?」


俺が呼ぶと、明久は慌てた感じで振り返った。


銀華
「何だ明久、デートか?」


明久
「ち、違うよ!これはデートとかそんなのじゃなくて……!」


何を慌ててるんだコイツは?

……ああ、そう言うことか。


銀華
「安心しろ明久。この事を誰かに言うつもりはねぇからよ」


明久
「あ、そう?よかったぁ」


やっぱりこれを心配してやがったか。


銀華
「んで、そちらさんは?」


俺が聞くと、その女子が一歩前に出て、


美咲
「私は星川美咲、よろしくね」


と言って手を差し出してきた。


銀華
「天童銀華だ。こちらこそよろしくな」


俺も手を差し出し、握手を交わす。


アヤメ
「私は東城アヤメ。アヤメって呼んで。よろしく美咲ちゃん♪」


美咲
「うん、よろしくアヤメ」


アヤメも星川と握手を交わした。

それにしても、明久のヤツは何でこうもモテるんだ?バカのクセに。男女問わずがたまに傷だが。







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